須加利。
この前出かけていたのは、
紀伊半島を列車で一周するという旅でした。
今回はその旅の振り返り、その1。
一日目、立ち寄った場所は、
尾鷲は須加利というところ。
尾鷲は三重県です。
台風が来ると時々尾鷲港からの映像がでますよね。そこです。
少しひなびた小さな港町。
入り組んだ地形が作り出す、
山と海のコントラストが美しいところでした。
町の中はとても静かで、
猫がリラックスしていたり、
とても大きな楠(クスノキ)があったり、
シュールな『顔出し(左の人の手に注目)』があったりと、
のどかさに、心が和みました。
そして、
須加利というのは、
尾鷲の町の飛び地です。
島ではなく、現在は陸路で繋がっているのですが、
山に囲まれた美しい場所です。
興味のある方はぜひ調べてほしいです。
紀伊半島を一周する中で、
どこか途中下車して行けるところはないか。
そう思って調べているときに偶然出会った場所でした。
須加利へは、巡航船で行くことができます。
と、言っても、一日4往復ほどしかなく、
なおかつ須加利に住む人のためのダイヤなので、
尾鷲から行くのは不便で、
須加利で過ごせる時間は短く、
ほとんどとんぼ返りになってしまって、少し残念でした。
船乗り場は、こんな感じ。
生活感が満ち溢れています。
普通に、洗濯物干してあるし。
切符も、おっちゃんが「あいよ!」って感じで売ってくれました。
タンクトップに腹巻丸出しで、ちょっとビックリしましたが。
海の男って感じ?
港を離れ、いざ海へ。
潮の香りが気持ち良いです。
船内はこんな感じ。
ちなみに、左側のおっちゃんが切符売ってくれた人。
さすがにポロシャツ着用。
お客さんはまばらで、
地元の方と、旅の方が数人。
20分ほどで、須加利が見えてきました。
海が、藍色です。
夏の静けさの中に、船のエンジンの音が響きます。
到着です。
本当に静かでした。
海から山に向かって、古い家がびっしりとならび、
港には漁船が休む。
昔を知っているわけではないのに、
何故だかなつかしく感じる。
心が安らぐ気がする。
そんなところでした。
少しだけ、町を歩いてみました。
狭い路地が続き、迷路のようです。
お家に手形が貼ってありました。
米寿のお祝い返しなんだとか。
みんな元気なのですね。
少し高いところにお寺があったので、登ってみることにしました。
振り返ると、とても美しい景色。
お寺は、普済寺。
たまたま住職さんが出てきてくれて、
歓迎してくれました。
お茶を出してくれて、写真まで撮ってくれました。
とにかく、「よくきてくれた。」と言ってくれて、
色々と、話してくれました。
あたたかかったです。
もっとゆっくりできたら、もっとお話できたのに。
お寺からの景色。
時間が止まって見えるというのは、まさにこのことでしょう。
こんな短い時間で須加利を去ってしまうのは、
本当にもったいなかったです。
お寺の住職さんが、
船が見えなくなるまでずっと手を振ってくれました。
すごく、嬉しかったです。
また、必ず訪れたいです。
ただ、
この巡航船は、9月いっぱいで無くなってしまうそうです。
とても残念です。
船員さんも、
お客さんも、
とっても暖かい人たちでした。
優しく旅人を迎えてくれました。
そして、
美しい景色。
絶対忘れません。
須加利、尾鷲。
本当にいいところです。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント