さよなら2012年。
さて、2012年も残すところあと数時間。
今年も色々と振り返りを・・・、
と思ったのですが、
今回は、
「坂の上の雲」
の感想で、年をしめたいと思います。
坂の上の雲、八巻。
ついに読みきりました。
日本海海戦。
素晴らしい描写でした。
刻一刻と動く戦況。
双方の艦隊の動き、
砲火の様子。
そして、
司令官の姿。
天気晴朗なれども波高し(実際は薄く霧が出ていたが)、
その海戦の様子が、
緊張感とともに伝わってくるのです。
この小説の、
真骨頂(と自分が思う)が、
如何なく発揮されていました。
そして、
完全とも言える勝利。
「雨の坂」
今まで長くつづられた戦いから考えると、
存外に短い最終節で、
静かに物語は閉じられます。
天佑による勝利(決してそれだけではない)。
そこから信仰の道へ迷い込む。
秋山真之のその後。
日露戦争の講和の内容。
そして、
勝ったことによって、
敗北への道を始めてしまう日本。
語られない部分は多いです。
でも、
坂の上の雲をかけのぼり、
雲まで上り詰めた。
その姿のまま、
そっと物語が閉じられる。
改めて、
小説であることに気づかされる。
なんとも、
ほっとする最後でした。
坂の上の雲、
本当に、素晴らしい作品でした。
足掛け9年間で書き上げられたという長編小説。
戦争という事実を描く上で、
勝利国の日本人がそれを描く上で、
真実をひたすらに求めた作者。
そのために費やしたであろう時間と努力が、
結晶となって、
偏りなく描かれる社会、戦争。
限りなく忠実な、
事実。
でも、
おもしろい。
引きこまれていく。
以前、
「勝つべくして勝った日本」
と感じていたことを訂正したことがありました。
ここにこの小説のおもしろさがあるのだと思います。
偏りなく描かれる社会情勢は、
一見するとこの後起こる結果を連想させます。
しかし、
実際の人々が話し、走り回り、戦う姿は、
まさに、物語なのです。
心を動かされるのです。
「かろうじて」を掴み取る日本。
その「かろうじて」を感じさせる。
臨場感、
悲壮感、
緊張感、
それを感じさせる、
司馬遼太郎の文章は、
素晴らしいとしか言いようがありません。
この作品に出会えて本当によかった。
さて、
なぜ2012年の締めくくりに、
この本の感想を選んだのか、
それは、
去年の締めくくりに、
「坂の上の雲」のドラマのことを書いて、
『連合艦隊解散の辞』
を引用していたから。
今思い返すと、
不思議です。
その時は、
小説を読んでやろうとは全く思っていませんでした。
でも、
夏休みに、
伊予は松山の「坂の上の雲ミュージアム」に行って、
これは読んでみないと!
っと思って読み始めたのです。
それが、
今日読み終わるという(多少読み終えてやろうとは思ってましたが)。。
一年で、また帰ってきた感じです。
そして、今年、一番変わったことは、
そのことです。
たくさん本を読みました。
坂の上の雲の前にも。
月二冊程度のペースで本を読んだのは生まれて初めてです。
恥ずかしながら。
子どもと一緒に朝読書の時間も読みました。
宿題の丸付けほったらかして。
先生が読んでたら、
子どもたちも読むかも??
とか淡い期待もあったけど、
本当に読みたかったから読みました。
何かを得てやろうとか、
賢くなってやろうとか、
そんな気持ちは本当になくて、
ただ、
読みたかった。
読んでみようと思った。
そして、読んでよかったと思えた。
2012年は、
一番変われたと思ったことは、
そこです。
正直、
仕事のことは、
苦しいな。
二年同じ学年なのに、
難しいな。
そんな風に思うことも多かったです。
実際、
あんまり成長できてないのかもしれません。
でも、
本を読んだよ!
という確かな事実は、
なんとなく、
自分の中に達成感のような形で残った気がします。
だから、良かった。
2013年も、
本を読もうと思います。
司馬遼太郎の、
「竜馬がゆく」が読みたいです。
また八巻もあるみたいなので、がんばります。
2013年も、
何か変えていきたい。
進んでいきたい。
今、
これ!
とは言えないですけど。
そして、
真之が言っていた、
「かきがら」
これを落とすことも忘れず、
日々がんばりたいと思います。
さよなら2012年。
ありがとう2012年!!
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